花子とアン第46回 Could you pass me the salt please? ペンネーム安東花子
ちびっとあらすじ
はなは校長先生に退職願を出し、その場を去ろうとします。
「ちょっと待てし!」
校長先生ははなを呼び止めます。歯切れが悪そうに理由をのべ、そして、、、
「あしたから心を入れ替えて、こぴっとやれし!」
どうやら生徒たちがはなを辞めさせないよう校長先生にお願いに来たようです。はなはまた教師を続けられそうです。
みみずの女王
はなは次の日からまた教壇に立ちます。はなはようやく教師らしくなってきました。
廊下で用務員の合田寅次とすれ違う際、一通の手紙を受け取ります。
それは一月前に親戚の家に引き取られた、小山たえからの手紙でした。
はがきを買うお金のないたえの手紙は、人の手から手に渡ってはなのもとに届いたのでした。親戚の家にいったたえの文は元気がなさそう。
そして最後に、
「先生の作ったお話の続きを、いつかおせえてくりょ。楽しみにしています」
はなはその手紙を握りしめます。はなは、たえのために物語を書き始めます。
「みみずの女王」
教会の図書室でたえに話していたあのお話です。
物語を書き終えたはな。しかしたえの住所はわかりません。
すると朝市が雑誌に投稿をすることを提案します。
グッドアイディア、朝市。(天の声)
一方、福岡の嘉納伝助邸では、食事中、蓮子が冬子に言葉使いの注意をしています。
「お塩を取っていただけますか?でしょ?」
そしてそれを英語で言わせようとします。
お塩を取っていただけますか?
R: Renko
R: Could you pass me the salt please?
R: お塩を取っていただけますか?
授与型
この文は「授与型」です。
動 + 目A + 目B
pass + me + the salt
me(A)に the salt(B)を授与する。動詞がpassなので当たり前かもしれませんが、この形の時は常にAにBが授与されます(参考:一億人の英文法 P77)。
依頼・要求
依頼や要求を表す文は以下のようなものがあります。上から下に行くほど丁寧な表現になります。
- Pass me the salt.
- Please pass me the salt. (Pass me the salt, please.)
- Will / Can you pass me the salt?
- Would / Could you pass me the salt?
- Would / Could you please pass me the salt? (Would / Could you pass me the salt, please?)
1.は命令形で非常に高圧的です。
2.はplease を使いこれを「オブラート」に包んで丁寧な表現にしています(参考:一億人の英文法 P105-106)。
3.は助動詞を用いて疑問文にすることで、さらに丁寧な表現になります。疑問文にすることで間接的な依頼の言い回しになるからです。これは日本語でも同じですね。
4.はその助動詞を過去形にしています。過去形は「距離感」が意識されます(参考:一億人の英文法 P556)。この「距離感」が「控えめ」につながるので、丁寧さが増します。
5.はさらにpleaseをつけています。これでほぼ最上級の丁寧さになります。
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蓮子さま、苦戦
しかし冬子は反抗的です。冬子は食事の途中で席を立ってしまします。それを見ていた女中から嫌味を言われますが、蓮子さま、表面上は平然と食事を続けます。
すると夫の嘉納伝助がやってきて、これから女學校の打ち合わせに出かけると蓮子に告げます。女學校は伝助と結婚した蓮子さまの唯一の希望の光です。ところが、、、
「金は出すばってん、口は出さん。はなからそういうことになっちょる」
伝助はすべて人任せにする様子。蓮子は話が違うと食い下がりますがにべもありません。
蓮子を支えていた夢はあっけなく砕け散ったのでした。(天の声)
ペンネーム
一方、はなは書き上げた物語の原稿にペンネームを書き入れます。
「安東、、、花子」
とうとう「花子」を使う時が来ましたね。
それでは今日はこの辺で、
ごきげんよう、さようなら。