花子とアン第126回 希望 祈り 魔法の言葉 「ごきげんよう」
村岡家
お父とお母は、もものことを花子と英治に頼み、甲府に帰っていきました。
タイム
カフェーで働くもも。
花子はももに言います。
「もも、家で一緒に暮らそう」
ももは返事をしません。
「私が今、翻訳をしたり、童話の仕事をしていられるのは、もものおかげだよ」
ももの、かじかんだ心はまだ溶けません。
JOAK
廊下で部長たちにあいさつをする花子。
「ごきげんようか、、、」
部長の漆原が意味ありげに呟きます。
待合室で黒沢が花子に、視聴者からの手紙を渡します。
それは、病気の子供を持つお母さんからのお手紙でした。
タイム
「もも、少し休んだら」
「私、一生懸命働くから、ここに置いて」
「、、、でも、お姉やんが淋しがるよ」
かよは花子の気持を伝えます。
しかしももは受け入れません。
「お姉やんがあんなに仕事をするようになったのは、、、坊やが亡くなってからだよ」
手を止めるもも。
花子の思いをももに伝えるかよ。
「ラジオのおばさんんも、そんな気持ちで引き受けたんだと思う」
考えるもも、、、
JOAK
手紙を読む花子。
息子が入院している母親からの手紙、、、
「息子にとって先生の放送は『希望』なのだと思います」
心を強く持つ花子。
工房(青凛社)
「あの、、、」
荷物を取りに来たもも。
居間
歩の遺影を見つめるもも。
英治は花子が忘れた歩の写真を、ラジオ局に届けてくれるよう、ももに頼みます。
JOAK
花子は原稿の変更を願い出ます。
「最後の挨拶を、『ごきげんよう、さようなら』にしたいんです」
しかし、漆原と有馬は承諾しません。
修和女學校の話を持ち出す漆原。
「あなた、給費生だったそうですね」
「ええ、そうです」
漆原は花子にきつい言葉を浴びせます。
「ごきげんようが似合う人間と似合わない人間がいるんですよ」
花子は「ごきげんよう」に込められた願いを伝えます。
「ごきげんようは、さまざまな祈りが込められた言葉だと思います。
どうか健やかに、お幸せにお暮しくださいという祈りです。
人生はうまく行く時ばかりではありません。
病気になることもあるし、何をやってもうまくいかない時もあります。
健康な子も、病気の子も、大人たちも、
どうかすべての人たちが、元気に、無事に放送を聞けますようにという
祈りを込めて、番組を終わらせたいんです。
どうか、お願いします」
返す言葉に詰まる漆原。
「まあ、いいでしょう。問題になったら、降りてもらえばいい」
一部始終を聞いていたもも、歩の写真を花子に渡します。
「もも、本当にありがとう」
帰っていくもも。
6時20分
原稿を読む花子。
それを聞くもも。
そして、放送が終わります
「こぎげんよう、さようなら」
ももが呟きます、
「ごきげんよう、、、」
花子の声が、魔法の言葉のように、ももの心に沁み込んでいきました。(美輪節)
実際、村岡花子さんは番組の最後に、マイクの向こうのたくさんの顔を想い浮かべ「Fare you well」(どうかあなた方は丈夫で元気に、明日も私のお話をきいてくださいよ)という気持ちを込めて「それではごきげんよう!さようなら」という挨拶で締めくくっていました。
(アンのゆりかご―村岡花子の生涯 より)
人生
花子の言葉のように、人生はうまく行く時ばかりではありません。
いえ、むしろうまくいかない事の方が多い気がします。
誰も未来のことは分かりません。
悩んで、失敗して、苦しんで、人生を歩んでゆくものだと思います。
そして苦しんだ分、人生は深みを増していくものだと思います。
人の人生は、それぞれの環境があり、平等ではありません。
年を重ねるにつけ、それは重く心にのしかかることでしょう。
ももちゃんは今、その時なのだと思います。
ですが、はなの立場でもそれは同じでしょう。
ラジオ局ではなの強い意志を聞いたももちゃん。
お姉やんの思いは必ずももちゃんに伝わると信じたいですね。
来週、第22週は「新しい家族」です。
それでは今日はこの辺で、
ごきげんよう、さようなら。(さらさら)